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#0.5 偶像の偽君主

1 :名も無き冒険者:2015/02/04(水) 12:32:04 ID:zMESljzo0
偶像の偽君主について語るスレ

122 :名も無き冒険者:2015/02/15(日) 00:11:22 ID:hiftuMT+0
008戦LV10HP109力16知16信16生17素17運14
人間  AC0 装備 レイピア 鎧貫き 胸当て レザーヘルム ハードレザーグローブ ハードレザーレギンス 帰還の巻物1 妖精の鱗粉3
男   M 攻撃回数4 ダメージ2−10(2d3) S 攻撃回数3 ダメージ2−6(1d3+1)
009戦LV10HP97力15知12信9生16素13(+5)運14
人間  AC2 装備 シミター ダガー チェインメイル ハードレザーヘルム ハードレザーグローブ バスキン 万能薬8
女   M 攻撃回数 ダメージ1−8(1d8) S 攻撃回数4 ダメージ1−4(1d4)
010僧LV8 HP54力14知10信16生15素9(+2)運12僧呪LV4まで、バリコ未修得
ドワーフAC4 装備 メイス ラージウッドシールド レザーベスト サレット レザーブーツ ハードレザーグローブ
男   M 攻撃回数2 ダメージ1−6(1d6)
011魔LV8 HP30力11知15信14生11素16(+2)運8魔呪LV4まで、マハリト・ロクド未修得
エルフ AC6 装備 スモールシールド レザーベスト サレット レザーブーツ 妖精の鱗粉9
男   M 攻撃回数1 ダメージ2−4(2d2)

123 :名も無き冒険者:2015/02/15(日) 00:12:22 ID:hiftuMT+0
012盗LV10HP53力14知10信9生12素13(+4)運15(+1)
人間  AC7 装備 シーブズボウ 異国の革鎧 サレット 異国のブーツ 妖精の鱗粉8 万能薬9
女   W 攻撃回数2 ダメージ1−9(1d9) 罠調査95%
013魔LV7 HP27力9知13(+1)信10生13素12(+5)運17魔呪LV4まで、ラハリト・ダルト・ツザリクなど未修得
ホビットAC8 装備 錫杖 ダガー レザーベスト サレット 万能薬9
女   M 攻撃回数2 ダメージ1−2(1d2) S 攻撃回数2 ダメージ1−4(1d4)
014僧LV7 HP50力9知9信12生11素13(−1)運16(−1)僧呪LV4まで、ディアル・ラツモフィス未修得
ホビットAC6 装備ラージウッドシールド クロースアーマー サレット 帰還の巻物1
男   M 攻撃回数1 ダメージ2−4(2d2) 風抵抗
015魔LV7 HP31力10知13信15生14素12(+2)運10魔呪LV4まで、LV4はラハリト・リトフェイト・ロクド修得
ノーム AC9 装備 魔法使いの杖 異国の革鎧 帰還の巻物1 万能薬9
男   W 攻撃回数1 ダメージ1−6(1d6) 炎抵抗 魔抵抗1%

124 :名も無き冒険者:2015/02/15(日) 00:20:44 ID:hiftuMT+0
016戦LV8 HP73力13知12信11生15素11(+4)運12
人間  AC3 装備 エストック ダガー レザーアーマー サレット ハードレザーグローブ ハードレザーレギンス 万能薬6
女   M 攻撃回数4 ダメージ2−8(2d3) S攻撃回数3 1−5(1d4)
017戦LV1 HP72力15知10信9生12素15(+1)運12
人間  AC1 装備 シミター ヒーターシールド レザーベスト レザーヘルム ハードレザーグローブ バスキン 帰還の巻物1 妖精の鱗粉5
女   M 攻撃回数3 ダメージ1−8(1d8)
018戦LV8 HP77力11知12信9生15素14運10
人間  AC1 装備 レイピア レザーシールド レザーアーマー ハードレザーヘルム ハードレザーグローブ バスキン 妖精の鱗粉7
女   M 攻撃回数3 ダメージ2−8(2d3)
☆ 殺傷数ランキング 1位 004 797体  2位 005 735体  3位 003 621体
☆ 死亡数ランキング 1位 003 7回(灰化1回)  2位 006 6回  3位 002 5回  012 5回(灰化1回)
☆ 撃破モンスター 123種

125 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 10:41:19 ID:HCC4ur0k0
この迷宮の特徴を短い言葉で表すなら、それは「混沌」と「謎」である。
迷宮の構造は対称形や、幾何学的に整った形が多く、全体像を予想しやすい。
かつて聖堂だったころは、秩序だった荘厳な建築物だったと思われる。
しかし、廃墟となった今、秩序は混沌に呑まれてしまった。
迷宮に巣くうモンスター、至る所にある開かない扉、壊れた彫像や残された書物。
そして、迷宮に住む狂人や酔っ払いや浮浪者たち。
これらが、秩序だった明朗なる構造の聖堂を、謎と狂気によって暗闇の中に包み込んでしまっている。
わたしたちの探索は、それら混沌を生みだすものを、一つづつ明るみに出してゆき、
ふたたび、この迷宮に秩序を与えることに他ならない。
それは、この混沌たる迷宮に死を与えることだと言い換えてもいい。
だが、その作業はなかなか思うようには進んでいない。
扉を開くには鍵さえ見つかればいい。しかし、モンスターの生態と、迷宮で見つかるアイテムが厄介なのだ。

126 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 10:42:22 ID:HCC4ur0k0
モンスターでとくに厄介なのは、見た目では区別できない別種が存在することである。
たとえば、バンシー。バンシーはこの迷宮で最も頻繁に出逢うモンスターである。
バンシーは現在までに5種が確認されている。
外見で区別できるのは2種。ラツマピックによる真名の表示によってさらに1種判別が可能だ。
そして、全く区別の出来ない2種が存在している。土地の者が不死街と呼ぶ廃墟に現れるバンシーには、
この2種がいる。1つは不死院で最も個体数が多いと思われる種と同じである。
この種は我々が探索の最初期に於いて、狩り続けたバンシーである。
だが、この種と同姿、同名で僧侶呪文を行使できる別種のバンシーがいる。
いつものバンシーだと思い油断していると僧侶呪文が飛んでくる。
こうした別種の存在するモンスターは他にも、オーク、コボルト、エンジェルなど、少なくない。
そうそう、クリーピングコインもそうだ。
奴らには外見でも真名によっても判別できない種がある。それぞれのコインは別種のブレスをはき、体力も異なる。

127 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 10:43:25 ID:HCC4ur0k0
だが、各種のコインに対する対処方法は同じだ。マカニト、マダルト安定、もしくはラハリト+マハリト安定である。
他のモンスターも同様に、対処の仕方に大きな違いはない。
この点を分かっていれば、驚くことはあっても死ぬことはない。
ただし、それは現在までに遭遇したモンスターにおいてのみ言えることである。
これから先、判別不可能な、異なる対処を必要とする別種のある敵が現れたときが厄介である。
マカニトの有効・無効、耐性の違い、攻撃方法の違い。これらを見誤り、隊が窮地に陥る…。
これ以上は想像したくない。
さて、チェストに入っているアイテムも様々だ。
この土地に古くからある剣や鎧に混じって、異国の装備品が見つかることがある。
現在でも、異教徒の部隊がこの地に入り込み、この廃墟と化した聖堂を探索している。
彼らは死に、装備品が残される。異教徒は何を目的に、この聖堂を探索しているのか…。
それもまた謎である。

128 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 10:44:28 ID:HCC4ur0k0
また、アイテムの魔法効果にも謎が多い。
戯れに付けられたとしか思えない魔法効果を持つ武具が見つかる。
イタズラ好きな妖精がこの廃墟には住んでいるのだろうか。
ともあれ、こうした魔法効果のある武具を収集し、戦力を増強することは、今の我々にとって肝要だ。
ゴーレムという、難敵を倒すためであるのは言うまでもないが、
この先、ゴーレム以上の強敵が潜んでいる可能性は高いと、わたしは考えている。
001もそう考えているだろう。
もっとも彼女は、気まぐれな魔法効果の武具に頼らず、戦闘レベルを上げることを第一義としている。
わたしも魔法使いを早々にマスターし、戦士として前衛に立たねばならない。
一つだけ心にかかっていることは、秘薬の分析結果が本隊から届かないことだ。
わたしもまた、ありあわせの道具で秘薬の研究をしているが、やはり、上手くいかない。
001は諦めているようだが、秘薬やマナの壺もまた、この迷宮の、解かねばならぬ謎のひとつである。

129 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 10:47:04 ID:HCC4ur0k0
地下1階への扉が開かれてからの2週間は、探索するごとに新しい発見があった。
新しい場所を探索し、新しい地図が出来上がっていく。
未知のモンスターを倒し、部隊の戦闘レベルが上がっていく。
強力な装備品が発見され、資金が蓄えられていく。
部隊の士気は上がり、戦力は充実していった。
貯まったGPで我々は町で売り出されていた家を購入した。
倉庫兼作戦会議室として使用するためだ。酒場で作戦会議をすると邪魔が入ってかなわん。
そうして探索体制の整備を進めながら、地図上の未踏破の地はどんどん埋められていった。
残すは嫌な予感のする場所での探索であった。強力なモンスターのいる気配がただよう場所である。
私は002、003、004、008、012を率いてそれらの場所へ向かった。
出現したモンスターはどれも手ごたえがなかった。
だが、あやしげな魔法陣から出現したドラゴンを目にした時、私は再びあの緊張感を取り戻した。

130 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 19:56:11 ID:HH9BpJ6E0
難易度高そうだなあ……
同名別種モンスターというのは本当に難しそう

131 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 23:16:44 ID:HCC4ur0k0
現れたのはドラゴンフィンという氷竜だった。
竜族の中でも、古代から生き続ける強大なドラゴンの一種である。
この大陸に住む者であれば、知らぬ者はいない。
私はドラゴンフィンの発する冷気に身震いしつつも、湧き上がる熱情を感じた。
殺してやる。我々が強くなった証を得る敵として、これ以上の相手はいない。
素早く戦闘態勢に入り、隊員に戦闘指示を飛ばす。
私と002はフィスノイトで魔法障壁を弱める。ドラゴンは魔法障壁を備えているはずだ。
003にコルツ、004にラザリクを詠唱させる。008は直接攻撃、012は牽制攻撃をかけさせる。
戦闘開始。我々のフィスノイトが発動し、空間に小さな歪みが生じる。
ドラゴンの魔法障壁は弱まっている。続いてラザリクがドラゴンを直撃する。
コルツでこちらも障壁を張る。特攻した008はドラゴンと格闘している。
008の攻撃がきいたのか、ブレス攻撃はなかった。

132 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 23:18:17 ID:HCC4ur0k0
次ターン。私はバマツで物理障壁を張る。002はカツで足止めを試みる。
003、004、008、012は同じ行動で攻撃させる。
ラザリクが再び直撃する。これで倒れるか!?
いや、まだのようだ。効いてはいるが、致命傷ではないようだ。
ドラゴンは咆哮を上げ、凶暴な爪と長い尾を振り、我々に襲いかかる。
012!
クッ!012が振りまわされた尾の一撃をよけきれず、床に転がった。
ピクリとも動かない。
次ターン、003のラザリクは障壁に弾かれた。だが、004のラザリクがドラゴンを撃つ。
まだか!まだ倒れんのか!
だが、ドラゴンは相当弱っているはずだ。ブレスを吐いたとしても、威力は弱いはずだ。
次で止めを刺してやる。

133 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 23:19:35 ID:HCC4ur0k0
002が再度フィスノイトを、私はカカメンを唱え、003、004は素早くラザリクを詠唱する。
003のラザリクがドラゴンの魔法障壁を通る。
ドラゴンは強烈な雷を受け、断末魔の叫びを上げ、床に崩れ落ちた。
まだ油断することはできない。ドラゴンの生命力は人間のそれとは比較にならない。
あの状態からでも攻撃を仕掛けてくるかもしれない。
我々は012の死体を回収しつつ、遠巻きにドラゴンを囲んでいた。
すると、突如として魔法陣が光り出し、ドラゴンフィンの死骸を光で包む。
次の瞬間、ドラゴンはあとかたもなく消え失せてしまった。
あの魔法陣がドラゴンを転移させたのか…。
戦利品はなかったが、私は大きな自信を得た。
ブレス攻撃がなかったという運にも恵まれたが、勝利したのは我々だ。
012の死体を袋に入れて担ぎ、町へと戻った。蘇生は無事成功した。

134 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 23:24:57 ID:HCC4ur0k0
今日は出撃の日だ。そして今回、私は隊長のお供に選ばれた。光栄なことだ。
初めてのドラゴンとの戦闘で勝利し、隊の士気は上がっている。
隊長から、今回の出撃も危険なモンスターとの戦いがあるとの訓示があった。
隊長から授かったドラゴンスレイヤーを振るい、自らの体を盾としてでも、必ず隊長をお守りしてみせる…。
やって来たのはドラゴンフィンを倒した近くにある、別の魔法陣である。
魔法陣に触れると、光の中に、一体の幽霊が現れた。
レイスだ。
いったいどんな攻撃を仕掛けてくるのか…。ドレイン攻撃があるのではないか?
隊長もおそらくそれを危惧されたのだろう。
002がバマツで障壁を張るようだ。
私はレイスに切りかかる。
ラザリクの連撃と私の攻撃で、レイスはあっさり倒れた。

135 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 23:26:37 ID:HCC4ur0k0
次の魔法陣からはビーストという獣人が現れた。
魔法によって生み出された魔物である。
魔法によって増強された筋組織は強いバネのような弾性力を生み、
硬い皮膚は鋼の剣をも弾く鎧と化すという。
このビーストも強力な肉弾攻撃と、硬い防御、底知れぬ体力を持ち合わせているはずだ。
私は隊長の命を受け、ビーストの懐に飛び込む。
ドラゴンスレイヤーが空を切る。大きな体に似合わぬ、素早い奴だ。
身をひるがえし、私に襲いかかる。だが、私は奴の反撃をかわした。
私とビーストとの攻防は続いた。
その間、バマツの重ねがけで物理障壁が作られていく。
何発ものラザリクがビーストの体を直撃する。だが、奴のスピードはいっこうに衰えない。
なんてタフな奴なんだ。

136 :名も無き冒険者:2015/02/16(月) 23:29:57 ID:HCC4ur0k0
ラザリクが切れ、最後はツザリクが止めを刺した。
私はかなりの傷を負ったが、最後まで皆を守り通した。
隊長からもねぎらいの言葉をいただいた。身に余る光栄だ…。
皆、勝鬨を上げ、勝利の余韻にひたっている。
私もまた、こわばった面が崩れ、忘れていた笑みを浮かべていた。
パシッッ!
そばにいた隊長が私の頬をぶった。そして、私の顔をじっと見ておっしゃった。
「お前だけは油断をするな。お前は肉の盾だ。それ以上でも、それ以下でもない。」
隊長…。
隊長は、隊長は私を必要としてくれているのだ。
そして、他の隊員には見せぬ厳しさで、私を指導してくれている。
あぁ…。

137 :名も無き冒険者:2015/02/17(火) 00:17:45 ID:9fmxk0++0
連日の更新、感謝です!
続きが楽しみで一日に何回も覗きに来てしまうw

138 :名も無き冒険者:2015/02/17(火) 00:34:46 ID:3WHUDcG+0
ねぎらいの言葉をかけて、喜んだ肉壁の顔を殴る隊長(エルフ女僧侶)。
女王様過ぎるわw

執筆者の設定では、戦士職が周囲の警戒をするポジションなんだな。
web小説「和風Wizardry純情派」が好きだった自分は、
盗賊が周囲の警戒と戦闘中の指示を出す司令塔ポジションのイメージを持っている。
こんなゲーム的には意味の無い設定を作り、冒険の様子を想像するのは楽しいね。
「肉壁くん」の今後の活躍(Mに覚醒)に期待!

139 :名も無き冒険者:2015/02/17(火) 00:39:59 ID:3WHUDcG+0
隊長が転職を考えているなら君主(女王様)を推したい!

140 :名も無き冒険者:2015/02/18(水) 00:27:23 ID:S3MIigGo0
どうしたのかしら009?
なんだか熱でもあるみたい。ボーっとしているわ…。フフ、変なのっ。
さっ、こんどは私が持って来た、この梯子の出番よ!
ほんっとにもう重かったんだから!
隊長が号令をかけたわ。そろそろ出発ね。
目的の場所は同じフロアーにあるの。すぐ近くよ。
修道士たちの宿舎として建造途中だった区画よ。
穴があちこちに開いていて、落ちたら痛そうだけど、私たちは浮いているから大丈夫。
そして、ここね。この通気口があいている場所。
1階にあったのとよく似てるわ。
うんしょ、うんしょ。
この…梯子を…かければ!

141 :名も無き冒険者:2015/02/18(水) 00:29:10 ID:S3MIigGo0
よし、これで通れるはずね。
隊長が梯子を上り、真っ先に通路の奥へと進んで行くわ。
遅れずに行かなくっちゃ。
奥の通路には扉があったの。鍵はかかっていなかったわ。
扉を開けて中に入ると、すぐに魔物が現れた。
スモッグビーストよ。
でも全然弱いんだから。うーん。イマイチね。
スモッグビーストのいた小部屋には何もなかったわ。
ガッカリして引き返してみると、とんでもないことになっていたの…。
通って来た穴がなくなって、ただの壁になっていたのよ。信じられないでしょ!
本当の敵はあんな弱っちょろいモンスターじゃなくて、一方通行の罠だったの。
うーん。やるわねっ!

142 :名も無き冒険者:2015/02/18(水) 00:30:09 ID:S3MIigGo0
って感心している場合じゃないわ。緊急事態なのよ、これは。
ともかく、みんなで壁を叩きまわったわ。
でもダメ…。いくら叩いてもシークレットドアは見つからない。
短く狭い通路に6人が閉じ込められてしまったわ…。
ぜ・つ・ぼ・う。
なーんてね!ウソウソ。こういう時のために、帰還の巻物があるのよ。
それに、隊長はロクトフェイトを覚えているんだから。
でも、隊長はそれらを使うのをなぜかためらっているの。
裸になって町に帰るのが嫌なのかしら?
隊長はみんなを集めて、救助隊を待つとおっしゃった。やっぱり嫌なのね。フフフ。
それから一昼夜、私たちは狭い通路で待ちぼうけ。
どうやってここから脱け出すのかしら?隊長にはお考えがあるのかしら?うーん。

143 :名も無き冒険者:2015/02/18(水) 00:31:06 ID:S3MIigGo0
隊長にはお考えがあるのだ。私には分かる。
「待っていれば必ず穴は開く。」隊長は、そう言ったきり、黙っておられる。
いささかも慌てている様子はない。むしろ楽しんでおられるように見受けられる。
隊長はじっと立ちすくみ、つきあたりの壁を見つめておられる。
あの壁に何かあるのだろうか…。
私は立ち上がり、隊長のそばに寄った。
隊長が私の顔を見つめる。「お前に分かるか?」そう、おっしゃっているように思える。
私も隊長のそばで、じっと壁を見つめてみる。
「この壁の石は、迷宮の石壁のものとは少し違う。」
隊長が不意に言葉を発せられた。
私へのヒントなのだろうか…。

144 :名も無き冒険者:2015/02/18(水) 00:31:38 ID:S3MIigGo0
隊長にはお考えがあるのだ。私には分かる。
「待っていれば必ず穴は開く。」隊長は、そう言ったきり、黙っておられる。
いささかも慌てている様子はない。むしろ楽しんでおられるように見受けられる。
隊長はじっと立ちすくみ、つきあたりの壁を見つめておられる。
あの壁に何かあるのだろうか…。
私は立ち上がり、隊長のそばに寄った。
隊長が私の顔を見つめる。「お前に分かるか?」そう、おっしゃっているように思える。
私も隊長のそばで、じっと壁を見つめてみる。
「この壁の石は、迷宮の石壁のものとは少し違う。」
隊長が不意に言葉を発せられた。
私へのヒントなのだろうか…。

145 :名も無き冒険者:2015/02/18(水) 00:32:53 ID:S3MIigGo0
「お前と私は以前にも狭い空間に囚われたことがあっただろう?」
私と隊長が?
「もっとも二人とも死んでいたがな。ふふ。」
あの時か…。ゴーレムの…。
そうか、そういうことか!さすが隊長!
その可能性を考えておいでなのですね。
だが、救出隊がそのことに気づくか否か…。いや、そもそも、はたしてほんとうに…?。
いや、いや、隊長は正しい。私は、信じる。
それから、さらに、時が過ぎた。
隊長は相変わらず壁を見つめている。私もそばに立って隊長と同じ壁を見つめている。
すると、突然、壁がうっすらと青い光を発し始めたではないか…。
青い光がおさまると、床に接する低い位置に小さな穴が開き、ハゲ頭が、ぬうっと現れた。

146 :名も無き冒険者:2015/02/18(水) 00:33:59 ID:S3MIigGo0
「遅かったな005。待ちくたびれたぞ。」
隊長がそう言うと、ハゲが顔を上げ、答える。
「まあ、よいではないですか。みな無事ですかな?」
005だ。005は穴から這い出し、立ち上がって髭についた埃をはらっている。
「やはり<私用の穴>はあったのだな?」「ええ、見つけました。」
002や012がはしゃいでいる。もちろん、私は直立不動だ。
私には分かっていたことだからな。隊長のお考えも、こうなることも。
いや、私に分かっていたわけではない。隊長を信じていたのだ。そうなのだ。だから、驚くことではない。
隊長は預言者だ。開くといった穴が開いた。
だが、神秘的な振る舞いで人を騙す、詐欺師的な預言者ではない。
強靭な思考と信念と、果敢な行動で人を導く、真の預言者なのだ…。
あぁ…。

147 :名も無き冒険者:2015/02/18(水) 00:39:46 ID:S3MIigGo0
(*また重複してます…。上の文の2行目、「ハゲが顔を上げ」を「ハゲ頭が顔を上げ」に訂正します。
私が使っている005のポートレイトが、つるっとした頭のドワーフなのです。)
今回の件は、地図を先に作っていたのが幸いした。
001の隊がいると予想された場所は、東西方向に伸びる通路状の区域の先の、未踏破の区域だった。
元々はこの東西の通路は、修道士の宿舎の部屋をつなぐ長い廊下か何かだったのだろう。
それを壁で区切り、ドアの先にスモッグビーストというモンスターを呼びだす魔法陣を配置したのだ。
この壁を設置した者は、聖堂の建築者ではない。廃墟となった聖堂に入りこみ、この聖堂を改築し、何かに利用しようとしているのだ。
様々なトラップやモンスターを召喚する魔法陣は、明らかに敵対的な侵入者に対する防御のために設置されている。
迷宮に壁を造り、扉に錠をつけ、モンスターを配置して侵入者の行く手を阻むのは相当の労力を必要とする。
そして、労力を費やすだけの理由がこの聖堂にはあるということだ。
それに、改築者には敵がいるのだ。それは我々や異教徒のような、この廃墟を探索する者たちである。
改築者の目的は何だ?この聖堂を守ることが目的か?この聖堂には守るべき理由があるのか?

148 :名も無き冒険者:2015/02/18(水) 00:41:23 ID:S3MIigGo0
それはわたしの知らない、この聖堂を探索する我々の部隊の目的と、コインの表と裏の関係にありそうだ。
ふむ。検討する要素は多そうだ。宿舎に帰ってゆっくり考えることにしよう。
001の部隊は来た道を帰って行った。
疲労がたまっていたので安全を優先させてのことだ。
代りに我々が未踏破の地を埋めて帰ることになった。
わたしは久しぶりに前衛に立ち、いくつかの戦闘をこなした。
そして、梯子をかけた地点から少し東に進んだところに、扉の並んだ細い通路を見つけた。
扉を開けて中の部屋を探索してまわる。
物置のような部屋でつるはしを見つけた。それから小汚いテーブルに鍵を見つけた。
町に帰還して007に鑑定依頼を出す。鍵は「1F 別院の鍵(裏門)」と判明した。
早速001に報告し、そのまま次の探索計画を練り上げた。
さてさて、次は何が起こるのやら…。

149 :名も無き冒険者:2015/02/19(木) 12:53:14 ID:yacpK9+E0
我々は別院と呼ばれるフロアーを目指して出発した。
今回の出撃は私と002、003、005、008、012のメンバーである。
廃院の東の端、噴水装置から汲みあげられた泉でキャンプを張る。
泉の水で魔力を回復した後、別院入り口と書かれた扉の前にたどり着いた。
私が鍵を使い錠をはずす。扉を開けて中に踏み込む。
カーーーン、カーーーン、カーーーン………
大きな鐘の音が3度響く。
なんだこれは?目の前に天使が現れた!?
その光景を見た瞬間、我々は転移していた。
それまでの石壁とは打って変わって、周囲にはレンガ造りの建物が並んでいる。
ふふっ。どこに飛ばされようと、ここがどこだろうと構わぬさ。
我々は淡々と敵を倒し、粛々と地図を作り上げていくだけだ。

150 :名も無き冒険者:2015/02/19(木) 12:54:11 ID:yacpK9+E0
キャンプを開いて基本事項を再確認し、出発した。
赤いレンガの道を一歩踏み出すと、すぐに何かが現れた。
なんだ?この生き物は…。
初めて見る生物だ。ネズミに似ているが、大きすぎる。
人間の子供ぐらいの大きさだ。
体はフサフサした毛におおわれ、口からはげっ歯類特有の長い前歯がはみ出している。
大きなネズミはこちらを警戒しているようだ。
私が威嚇しながら近づくと、数匹がビクッと体を動かし、二足で立ち上がる。
戦闘態勢ということかな?ネズミくん。
「あれはカピバラというネズミの仲間だ。毒を持っているかもしれん。」
そうか。ならばこちらに近づく前に、魔法で焼き払ってしまおう。
戦闘開始と同時に、003と005の発した火炎により、ネズミは炭となった。

151 :名も無き冒険者:2015/02/19(木) 12:55:08 ID:yacpK9+E0
別院には廃院とは異なるモンスターがいるようだ。
モンスターの情報も記録しながら探索せねばならないな。
それから数種の新しいモンスターを倒し、下へ降りる階段を見つけてから町へ引き返した。
別院のモンスターに、今のところ強敵はいない。
厄介なのはLV4ニンジャだ。クリティカルヒットの技能を持っている。
私が一度首を切られた。集団で出現したときは素早い魔法使いにマカニトを撃たせなければならない。
人間系には今のところマカニトが効きやすい。
その後、何度目かの出撃で、複数の泉がある広い区画を見つけた。
別院地下1階の東だ。
体力と魔力回復の泉の他に、効果不明の泉が二つあった。
009と012に潜らせてみたが、有害な効果はないようだ。
私が潜っても同じだった。004と005はもっと調べたいようだったが、効果の判らない泉など必要ない。

152 :名も無き冒険者:2015/02/19(木) 12:56:09 ID:yacpK9+E0
執筆者です。上記の「効果の判らない泉」は「状態回復」と「若返り」の効果の泉です。
「若返り」の方は利用します。ノーリセなのでステータスアップはできるだけ+が多い方がいいので。
データ上の年齢とロールプレイ上の年齢は別のものとして考えます。
実年齢と肌年齢みたいな違いです。
「状態回復」は当然縛ります。使いません。
ちなみに、マハマン蘇生はまだ試していません。
このシナリオは、呪文の設定は変更されていないようなので、おそらくマハマン蘇生は可能だと思います。
ところで、最初の方に書きましたが、このシナリオはレベル上昇に必要な経験値は変更されています。
これを執筆している現在、13レベルに到達しているキャラがいます。
全ての職業について同じかは不明ですが、13レベルになるまでに、前半必要経験値が多く、後半は少なくなっています。
レベル12から13になるには120000程度の経験値でよいのです。
レベル13になるために必要な累積経験値はデフォルトと同じだろうと思われます。

153 :名も無き冒険者:2015/02/19(木) 12:57:23 ID:yacpK9+E0
そして、レベル13以降、レベルアップ必要経験値は80000程度です。
上級職はもう少し多いかもしれませんが。
つまり、レベル14に上げてしまえば、マハマン蘇生のデメリットは小さいと言えます。
一発ツモできなければレベルが複数下がることもありますが、私の感覚ではお手軽な蘇生と思えます。
普段のプレイでもハマン・マハマンはあまり使わない方です。
というのは敵の強さがインフレする迷宮には入らないからです。
本編だけ楽しむタイプです。ヘタレと読み替えていただいても結構です。
このシナリオのクリア推奨レベルがどれほどなのか不明ですが、ハマン・マハマンは使わずに進めます。
ただ、混沌としたシナリオなので、正直どうなるのか分かりません。
くだくだ述べてきましたが、結局、何が言いたいのかと申しますと…
「ハマン・マハマンはできるだけ使わない。」ということです。
このシナリオの世界では、唯一神への信仰が全体に低下しているようなので、ロールプレイ的にも神には祈りません。以上です。

154 :名も無き冒険者:2015/02/19(木) 12:59:23 ID:yacpK9+E0
別院での探索は拍子抜けするほど簡単に進んだ。
もちろん、例の如く開かない扉は多数あるものの、強力なモンスターも、脱出困難な罠もなかった。
別院を探索し尽くした結果、手にしたのは3つの鍵であった。
一つは別院で何かの装置に対して使用する鍵の様である。
もう一つは、廃院の3Fの通路にある扉を開く鍵のようだ。
最後の鍵は「1F懺悔室の鍵」であった。
懺悔室の鍵?
バンシーの出現した、あの懺悔室か?
だが、あの部屋には錠などついていなかったはずだ…。
作戦会議室の円卓に廃院1階の地図を広げ、開いていない扉を確認した。
うむ、懺悔室の近くにまだ鍵のかかっている扉がある。
この扉から当たってみるか…。

155 :名も無き冒険者:2015/02/20(金) 01:14:21 ID:eSflGLAk0
自分もWizardryのステータス「年齢」は、
実年齢ではなく体力年齢だと仮定してプレイをしている。
実年齢は20〜30歳だけど、
体を鍛えているから体力年齢は14〜15歳。
死んだり、転職をすると、疲労で心も体も老けこむイメージかなw

156 :名も無き冒険者:2015/02/20(金) 01:23:44 ID:Rj/MVLys0
魔法とか転職とか急激に変化する例だけじゃなくて、宿屋に泊まる回数で加齢ペースが違うしね。

同じパーティーで一緒に冒険していても
A:簡易寝台で6週間過ごしてHPを回復させた。6週間加齢した。
B:HPが全快だったので宿屋に泊まらなかった。加齢しない。(イメージのために宿屋に泊まる作業をしてもHP全快なら加齢しない)

と、時間の流れが異なってしまう。
これは「過ぎた時間」ではなく「肉体年齢」としか言いようがない。

157 :名も無き冒険者:2015/02/20(金) 02:40:55 ID:M8oxEW6s0
ガチャリ!
鍵は外れた。当たりだ。
1階とはいえ、未進入の場所に入るため、準備は万全にした。
私と003、004、005、008、009のパーティーだ。
私が二人の戦士に目配せし、勢いよく扉を開ける。
008と009が部屋に飛び込み、素早く周囲を警戒する。
我々も部屋に入る。
どうやら敵の襲撃はないようだ。
小部屋の奥には祭壇があり、新しい香が焚かれている。
武器を手にしたまま、祭壇に近寄って行く。
祭壇の奥にはフードを被った人型の彫像が立っている。
彫像は革のベルトを巻いており、ベルトのバックルには宝石がちりばめられている。

158 :名も無き冒険者:2015/02/20(金) 02:42:02 ID:M8oxEW6s0
彫像に軽く触れてみた。
冷たい。表面はすべすべとしている。
造形は細かく、薄笑いを浮かべた陰気な男の表情が写し取られている。
その時、背後を警戒していた008が声を上げる。
振り向くと、我々が入って来た扉の方向に、ゴーストが立っている。
下を向いているため、顔はよく見えないが、フードを被ったその姿は、
彫像の人物とよく似ている。
ゴーストは黙ってうつむいたまま、トボトボとこちらへ歩み寄ってくる。
ほう、我々を襲うつもりか?返り討ちにしてやる。
私は手にしたホーリーバッシャーを振りかぶり、飛びかかる。
008と009が私に続く。勝負は1ターンで決した。
ゴーストを打倒した我々は、そのまま小部屋で探索を続けた。

159 :名も無き冒険者:2015/02/20(金) 02:45:40 ID:M8oxEW6s0
すると、再び008が警戒の声を上げる。
また同じやつだ。
陰気臭いゴーストが再び現れた。
それを再び撃退する。
だが、しばらく時が経つと、再びゴーストは現れた…。
いったい何だ?
3度現れたゴーストを倒し、我々は急いで部屋から出て、元のように扉に鍵をかけた。
気味が悪い。我々は早々に町に帰還した。
あのゴーストが何者なのか、それは知らぬし、知る必要もない。
あのゴーストが何度倒そうと蘇るのであれば、我々には都合がいい。
戦闘経験を積むのに利用してやる。
(*先生!遅刻ですよ。でも、きっと来るって信じてました!EXPは4450です。)

160 :名も無き冒険者:2015/02/20(金) 02:46:46 ID:M8oxEW6s0
1階で新たに見つかった懺悔室での探索を終え、次は、別院で発見した「3F 通路の鍵」と合う錠を探す。
おそらく廃院の3階だろう。いくつか目星はついている。
3番目に訪れた扉で鍵が外れた。
私と009、010、003、004、012のパーティーで、その先を探索する。
リトフェイトでも回避不能な落ちる床に2度落ちて、廃院の1階中央部に落とされた。
ここは1階の南と北をつなぐ中間地帯の空白地だった区画だ。
そして、すぐに下へ降りる縄梯子が見つかった。
この下は例のゴーレムがいる辺りだ。
縄梯子を下りた場所は周囲を水に囲まれた細い通路であった。
貯水池だったのだろうか…。
数歩先に進むと、パシューーン。
再び落ちる床だ。

161 :名も無き冒険者:2015/02/20(金) 02:47:49 ID:M8oxEW6s0
落ちた先も狭く短い通路である。眼の前には壁しかない。
ああ、また落ちる床か。
パシューーーン。案の定だ。
結局、我々は廃院の地下3階らしき場所まで落とされたことになるのだろう。
これまで進入していたのは地下2階までであるから、このフロアーは全くの未知の領域となる。
周囲は水浸しだ。上の貯水池から、我々が落ちてきたシュートを通って水も流れ落ちているのだろう。
水が川のように流れており、通路は水路と化している。
さて、まずは帰る道を探さねばならないな。
ここまで、落とされてきたのだ。今のところ、帰る手立ては、帰還の魔法しかない。
キャンプを解いてすぐに周囲の探索を始めた。
落着地点の南に鉄格子の破れた場所がある。アーチをくぐると、あの青年がいた。
青年はうわごとのように話をする。なぜ彼はこんな場所にいるのだろう。

162 :名も無き冒険者:2015/02/20(金) 02:48:52 ID:M8oxEW6s0
青年が言うには北側にさらに下へと落ちる穴があるという。
ふん。行ってみようではないか。
水の中を歩き、水路の対岸へ向かう。膝上まで浸かる水量だ。004は腰まで浸かっている。
同じように鉄格子の外されたアーチを通り、奥へと進む。
パシューーーン。
5度目のシュートだ。
受身をとって着地する。すぐに周囲を見遣ると、迷宮の雰囲気が一変している。
しまった!
この場所には、まだ来てはならない。私の直感がそう告げている。
落ちた場所は広い部屋だった。周囲には、禍々しい赤い光を放つアーチがいくつもある。
あの奥には行ってはならない。私の直感は、再度私に警告する。
だが、このまま引き返すのか?

163 :名も無き冒険者:2015/02/20(金) 02:51:26 ID:M8oxEW6s0
ひとまず、床に結界を描き、キャンプを張る。
これから発生するであろう戦闘での状況判断について、入念な打ち合わせをした。
危険を想定し、生き残るために迅速な行動をとれるように、各隊員が私の指示なく動くためだ。
その後、しばらく休息をとり、キャンプを解除した。
まず初めに、一番近くのアーチに向かった。
この赤い光の奥には何がいるのか…。
私は先頭を切って飛び込んだ。
なに!?
巨人だ!お供を連れた赤ひげの巨人の集団が大きな剣を振り上げて襲ってくる。
私は思わず声をあげそうになった。
クソッ!これは無理だ。
我々は戦闘を回避し、逃げ出した。

164 :名も無き冒険者:2015/02/20(金) 02:52:25 ID:M8oxEW6s0
別のアーチをくぐってみる。
今度は…悪魔だ!鎧を着た骸骨だ。骸骨の鎧に不気味な悪魔の顔が浮かんでいる。
その後衛には鞭を持った悪魔がいる。
これなら倒せそうだ…。
戦闘開始の合図とともに、隊員は全力で攻撃を仕掛ける。
私は010とともにフィスノイトで敵の魔法障壁を崩す。
…しかし、ダメだ。こちらのラダルトやマダルトは、半分は障壁にはね返されている。
悪魔は奇声をあげ、次々と仲間を呼ぶ。
戦闘を重ねるたびに、敵は減るどころか増えていく。
このまま戦い続けるとジリ貧だ。
私は撤退を指示した。
キャンプを張り、回復する。どうすべきか…。

165 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 00:37:42 ID:5keTFcqQ0
もう一戦、戦おう。
もう一度同じアーチをくぐる。
今度は…。
何もいない…?
モンスターはいない、そう思った瞬間。
「上です!隊長!」
弾かれたように体をそらし、上を見上げる。
天井にスライムがいる!
下等生物のクセに待ち伏せとは…。
パーティーを散開させ、頭上からの攻撃に備える。
スライムは数匹いる。そのうちの2体が張り付いていた天井から落ちて来た。
ベチョッという音を立てて床に落ちる。

166 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 00:38:49 ID:5keTFcqQ0
なるほど、上下からの攻撃というわけか…。
003にラハリト、004にラダルトを詠唱させ、私と010はバマツで物理障壁を張る。
戦闘開始。呪文は効いている。だが、倒れない。
次ターンも直接攻撃と魔法攻撃で攻めたてる。
私も詠唱に入った。
ベチッ!
……
……
はっ!?
何だ!
どうした?
「隊長、石化していたのです。もう大丈夫です。」

167 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 00:39:51 ID:5keTFcqQ0
必死の形相をした012が私を見下ろしている。
クソッ、石化攻撃か。
「今度は010が石化しました。隊長、マディで。」
私はすぐにマディを詠唱する。
スライムの数は…減っていない。むしろ増えている?
010を回復し、状況を確認する。
このスライムは増殖するタイプのようだ。戦闘前より数が増えている。
しかも、かなりのダメージを与えているのに活動を続けている。
そうとうタフなのか、もしかしたら強力な自己治癒能力を持っているのか…。
敵の攻撃はたいしたことはないが、このまま戦い続けては我々の消耗が大きすぎる。
私は皆に撤退を指示した。
キャンプを張り、回復する。

168 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 00:41:19 ID:5keTFcqQ0
まだだ、まだ終るものか。
一つだけでも勝利を得て帰るのだ。
キメラ×4だ!
頭はライオン、胴体はヤギ、尻尾はヘビという悪魔の獣だ。
大きな口から吐き出される息はチロチロと燃えている。
数が少ないのが救いだ。やれる!
003と004にラダルトを詠唱させ、私もロルトを唱える。
二人のラダルトの吹雪が獣どもを凍りつかせる。
よし、効いている。
キメラは次々倒れていく。
勝ったようだ。キメラは動かなくなった。
そばに落ちていたチェストを012が開け、戦利品を手にした。

169 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 10:09:52 ID:5keTFcqQ0
アーチの先は通路になっていた。回復を済ませ、通路を奥へと進んで行く。
通路のつきあたりには、再び赤黒い光を放つアーチがある。
またこの先に…。
魔法力はまだまだ残っている。キメラを倒し、士気も上がっている。
行くぞ!
私は光の中に飛び込んだ。
…!?
巨人だ!だが、前の奴とは違う。
毒々しい紫の肌の巨人が1体、こちらを向いて立っている。
巨人の脇には2つの鬼火が浮いている。
一体だけか。あの巨人は…ポイズンジャイアントだな。
とすると、脇の鬼火はウィル・オー・ウィスプに違いない。

170 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 10:10:53 ID:5keTFcqQ0
毒の巨人はこちらを見て、ニタニタ嗤っている。
ふんッ。何が可笑しい。
気に食わないやつだ。
009に巨人への突撃を指示する。009は大剣を上段に構える。
私も009に続いて巨人に直接攻撃をしかける。
010はバマツ、012は牽制攻撃だ。
003にはディルト、004にはマカニトを唱えるよう指示した。
戦闘開始。012、009の攻撃に続いて私も巨人に向かって走る。
004のマカニトが発動する。どうだ!?
巨人は平気なようだ。やはり効かないか。
毒の巨人はヘラヘラ嗤いながら009の攻撃を軽くあしらう。
それから…大きくのけぞり、醜い腹を大きく膨らます。

171 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 10:11:47 ID:5keTFcqQ0
ブレスか!私は走るのをやめ、その場でブレスに対し防御姿勢をとる。
ブフォオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
吐き出されたブレスがものすごい速さで私の体を過ぎていく。
うぐっ!肌が、肌が焼けつくようだ…。うっぷ…。
ブレスがおさまるのを待って、背後を見る。
隊員たちは皆倒れている。ブレスに耐えきれなかったか…。(*ダメージ106点の毒ブレスでした。)
前を見ると、009はかろうじて立っている。
膝が崩れているが、剣で体を支えている。
声をふり絞り、009を呼び戻す。
私も009もあと一撃、何かの攻撃をくらえば、立っていることは難しい。
巨人に対して武器を構えながら、私と009は後ずさっていく。
鬼火はただ揺らめくだけ。巨人は相変わらず、ニタニタと嗤っている。

172 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 10:12:51 ID:5keTFcqQ0
巨人は私たちが死体を運び出すまで攻撃をしてこなかった。
何だというのだ…。殺すまでもないということか…。
屈辱。屈辱。屈辱。屈辱。屈辱。
後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。
怒り。怒り。怒り。怒り。怒り。
………………………………………
心を落ちつかせねば。
この呪文を唱える必要のある状況は、たいていは落ちついていられない。
戦闘中ならなおさらだ。
精神の集中が不十分であれば、真言葉は本質の力を引き出し損ねる。
それによって呪文の効果に差が生じてしまう。
ロクトフェイトは他の呪文に比べ、その差が大きく現れる。

173 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 10:14:07 ID:5keTFcqQ0
009が私の顔を凝視している。大丈夫だ。成功させるさ。
精神を集中するため、私は眼を閉じた。
…………………
………………
…………
………
……

「帰りゆく風よ、重みと共に解放されよ!」
詠唱が終わった次の瞬間、目を開くと、見慣れた町の外壁が見えた。
(*詠唱は公式なものではありません。私のデッチアゲです。賢者ウラサムのティルトウェイトの詠唱を参考にしています。
「迷宮を吹く風よ、我身を大地から解き放ち、約束の場所に帰還させよ!」とか、いろいろ考えました…。)

174 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 10:15:20 ID:5keTFcqQ0
町への帰還は成功した。装備品や持ち物も無事転送された。
すぐに死体を寺院に運ばせ、蘇生を依頼した。
ささやき えいしょう いのり ねんじろ ×4
蘇生は無事に成功した。×4
寺院から本部へ帰り、すぐに作戦会議を招集した。
被害は大きかったが、あのフロアーの敵の強さを肌で感じることができたのは収穫だ。
集団で現れる敵の体力を圧倒する火力と、魔法抵抗の高い単体の敵を倒す物理攻撃力、敵の猛攻に耐える体力と回復手段。
我々に足りないものは力だ。破壊し、殲滅し、生き延びる力だ。
この迷宮に足を踏み入れたときから、何も変わっていないのだ。

175 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 10:16:39 ID:5keTFcqQ0
それからひと月、我々は戦闘レベルの向上を第一の目標に、迷宮で戦い続けた。
001君主(僧13⇒魔13⇒君)LV16HP149力12知15信16生16素15(+4)運12AC0
M:ルーンスピア(風)・攻回5・ダメ2−8 S:ダガー・攻回3・ダメ1−4 特記:風属性ダメ+10(マバリコ・ダメ140点)
002魔使(僧13⇒魔)LV17HP108力12知17(+1)信12生14素13(+2)運9AC7
003戦士(魔13⇒戦)LV15HP128力14知14(−2)信11(−2)生14素12運14AC1
M:ワースレイヤー・攻回5・ダメ2−11 S:ダガー・攻回31−4 特記:炎抵抗 風抵抗 獣人・動物3倍ダメ
004僧侶(魔13⇒僧)LV15HP91力14知14信16生14素16(−1)運16AC−1
005侍(魔13⇒侍)LV15HP132力15知14信17生16素8(+2)運9(+5)AC3
M:備前長船・攻回6・ダメ4−19 S:鎧貫き・攻回4・ダメ2−5 特記:敵のAC無視
007司教LV10HP68力11知14信12生11素16運12
008忍者(戦19⇒忍)LV13HP186力13知11信7生12素14(+5)運13AC3
M:忍刀・攻回6・ダメ2−14 S:鎧貫き・攻回5・ダメ2−8 特記:敵のAC無視

176 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 10:18:31 ID:5keTFcqQ0
009戦士LV21HP221力20知18信16生19素17運16AC−2
M:ドラゴンスレイヤー・攻回7・ダメ5−14 S:ソードブレイカー・攻回5・ダメ4−7 特記:竜・幻獣3倍ダメ
010僧侶LV15HP125力17知12信18生18素9(−1)運14(+1)AC−2
011魔使LV14HP70力13知18(+2)信16生14素19(+2)運8AC7
012盗賊LV17HP110力16知11信12(−4)生15素15(+4)運18AC6
M:サイズ・攻回4・ダメ1−13 S:ダガー・攻回3・ダメ1−8
013魔使LV13HP65力12知15(+1)信11生16素13(+5)運17AC8
014僧侶LV14HP107力13知8信15生14素15(+4)運17(+1)AC1
015魔使LV13HP79力12知13信15生16素14(+2)運15AC8
016、017、018はLV11 この3人には町にある本部建物・倉庫の警備を任せている。
その後の調査で、我々が全滅しかけた深層のフロアーは「聖墳墓」と呼ばれていることが分かった。
また、探索で「エレベーターの鍵」を発見した。聖墳墓に乗り込む前に、廃院で行ける場所を探索し尽くすことにする。

177 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 12:40:07 ID:08fGvIb60
ポイゾンジャイアントつええ

178 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 12:47:29 ID:iiDbUjaw0
もうすぐクリアなのかな?
隊長の職業が君主になっているのが嬉しい。肉壁くんは「009」かな?
個人的な好みとしては、最終戦に挑む6人が決まったらキャラを掘り下げてほしい。
今のところ「隊長」「デュオナ」「肉壁くん」以外はモブキャラにしか思えないw
簡単にでも性格、パーティー内での役割や立ち位置を描写してもらえると、
冒険の様子を想像するのが容易になるんだけど……。
もちろん執筆者の価値観、考えが最優先。自分の意見は検討してもらえたら嬉しいw

179 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 23:28:51 ID:5keTFcqQ0
モンスターの情報を整理しよう。
001が報告書を読みたがっていたからな。
我々がこの迷宮に潜り始めてから200種近くのモンスターを倒した。
敵のデータは004が集計、整理し、管理している。
わたしはそれを元に敵モンスターの分類、対処法などを文書化するのが任務だ。
まずはざっくりとした印象から入ろう。
迷宮に入りたての頃はともかく、現在のわたしがこの迷宮のモンスターに対して感じている印象は、
「不憫」という語に尽きる。
敵ながら可哀そうだということだ。ゆで過ぎて、のびてしまった太い小麦麺のようなイメージを抱いている。
確かに、この迷宮の敵は強い。しかし、それは敵の数の多さと高い体力と豊富な耐性によるものだ。
そのため、戦闘が長引き、消耗戦になりやすい。
やるかやられるかの刹那の戦いではなく、闘鶏のような壮絶な泥仕合なのだ。

180 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 23:32:30 ID:5keTFcqQ0
達人同士の一瞬の攻防ではなく、血まみれの分かりやすい殴り合いだ。
闘技場に集まる観衆は、そういったものを好む。だが、血を流す闘士にとってはやりきれない。
わたしがこんな感想を持つのは、わたしが侍になったからかもしれないな。
001はプレイヤーとして泥仕合を楽しめる希有な魂の持主なのだろう。彼女には血まみれの立ち姿が良く似合う。
さて、なぜ「不憫」なのか。
それは敵モンスターの個性、特徴が薄れているからだ。
サッキュバスはドレイン攻撃をしてこない。ライフスティーラーも、ナイトストーカーも。
サキュバスよ、お前は淫魔であることをやめたのか?お前の豊かな胸に抱かれながら生気を吸われる恍惚は…。うぅ…。
………はっ!?………さて、続けよう。
アークメイジは魔法をなかなか撃たない。LV7メイジもハイプリーストもプリーストオブファングも。
004の統計によると、アークメイジの魔法詠唱率は35%程度だ。
他のスペルユーザーも同様に30〜40%の詠唱率である。

181 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 23:33:36 ID:5keTFcqQ0
アークメイジのじいさんよ、お前はいったい何をしに出てきたんだ?
彼らの体力は総じて高いため、我々も全力で魔法攻撃を放つ。
そのためこれまで気づかなかったのだが、敵の魔法使いや僧侶は、呪文を詠唱することなく、
ボーっと突っ立っていたり、手にした杖やメイスで殴りかかってくる。
敵として襲いかかってくる人間たちは、この迷宮に入り込んだ、冒険者たちのなれの果てだという。
もちろん、好んで迷宮に住み、冒険者を襲うことを稼業としている者たちもいる。
迷宮の毒気にやられたのか、あるいは高レベルの悪魔や不死者に使役され、思考を奪われてしまったのか、
彼らの行動は明快性に欠ける。鈍っているのだ。
魔法を詠唱すべき状況で、杖で殴りかかる。彼らのちぐはぐな行動には何か原因があるのかもしれない。
現在のところ、脅威となるは、やはりブレス攻撃である。
ブレスの放出率は群れるモンスターは低く、1体で徘徊するモンスターは高いようだ。どちらも威力は高いため、
どちらも危険である。これまでの隊員の死因もブレスが多い。

182 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 23:34:37 ID:5keTFcqQ0
他に、危険な状況になりやすいのは、状態異常攻撃をする、体力の高い耐性持ちのモンスターと戦う場合だ。
低レベル時は、麻痺、睡眠付与を持つキャリーが脅威である。あっという間にパーティーの半数が麻痺してしまう。
マカニトについても触れておこう。廃院の1階で出現する敵以外には、マカニトは忘れてもいい。
コモドドラゴンに対して使うくらいだ。LV4シーフやLV5プリースト、メイジ、LV6ニンジャ、LV7メイジなどにもマカニトは通じない。
手が空いているメイジスペルユーザーがいれば、調査のために唱えるくらいだ。
もし、強力な敵にマカニトが効けば、それは有効な攻撃となる。一体でもそうした事例があればいいのだが…。
これについては004を中心とした調査班に期待したい。
あとはコルツを使った魔法障壁の多重生成についてだ。
これは敵の魔法・ブレス攻撃を無化する有効な防御法となる。しかし、この魔法障壁も完璧ではない。
強力なブレスを吐くモンスターには、ダメージを与え、ブレスの威力を削ぐことも同時に進めねばならないだろう。
他に書くべきこととしては、同姿同名異種のモンスターについてだ。
これについては脅威となるモンスターは、まだ現れていない。しかし土地の古老に聞いた「聖墳墓」なるフロアーではどうだろうか…。

183 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 23:36:32 ID:5keTFcqQ0
久々に廃院の上層へと遠征をする。
エレベーターの鍵を使い、昇降機を作動させる。
出撃メンバーは私と002、004、005、009、012である。
アイテムを収集しつつ、地図を作り、探索範囲を広げるのが目的だ。
この探索で多くの装備品を手に入れた。道具袋に入りきらなくなったところで町に帰還する。
マロールが使えるため、帰還は楽になった。
007に未鑑定品を預ける。007は後方部隊として前線に出ることはない。
しかし、鑑定から倉庫への移送、在庫管理、商店への売却まで、今や007なくては我々の探索は成り立たない。
鑑定にビクつくことも少なくなった。何度か死んで度胸がついたのだろう。
再び同じメンバーで廃院上層へと出撃する。
3階を探索中、「礼拝堂」と書かれた扉を見つけた。
扉を開け、中へ入る。目の前には、また扉がある。さらに扉を開け、中へ入る。

184 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 23:37:48 ID:5keTFcqQ0
広間だ。正面に上へと昇る階段が見えている。
周囲を見回しながら部屋の中央へと進む。
部屋の中央の床には赤い液体がたまっている。血のようだ。
むう!?ドドドドっという音を立てて、階段の方から巨大な人型の生き物が走って近づいてくる。
我々は身構え、武器を手に取った。
ラツマピックによる識別では、モンスターの名はミノ・デーモンと出ている。
悪魔か。2本の角を生やしたその姿は、確かに悪魔以外のものではない。
悪魔は拳を振り上げ殴りかかって来た。
ふん、殴り合いか。いいだろう。望むところだ!
002と004にバマツで物理障壁を張らせる。
私と005、009はミノデーモンを迎え撃つ。
005はずんぐりした体つきなのに良く動き回る。

185 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 23:46:21 ID:5keTFcqQ0
やはり魔法使いではなく、戦闘職が向いているようだな。
009は果敢にミノデーモンに突撃する。敵の突進を止めた。
私の攻撃は…。クッ、当たらないか。
次ターン、フィスノイトで魔法障壁を破りつつ、私はラザリクを撃つ。
障壁は厚いようだ。ラザリクが通らない。
005、009、012の攻撃はヒットしている。
002にフィスノイト、004にティルトウェイト、私はマバリコを唱える。
004の放ったティルトウェイトの熱線に、この悪魔は耐えている。
うむむ。ティルトウェイトでもだめか。
ならば…「暴風よ、冷たき風の刃となり放たれよ!」
無数の風の刃が悪魔の体を切り刻む。かなりのダメージを与えたようだ。
敵の動きが鈍っている。

186 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 23:47:19 ID:5keTFcqQ0
003と004にラザリクを撃たせ、我々は悪魔に直接攻撃を仕掛ける。
その波状攻撃の前に、悪魔は膝をつき、そのまま床に転がった。
勝ったようだな。
悪魔の死体を蹴り飛ばして横にやる。先ほどの血の溜まりの中に、鍵を見つけた。
だいぶ消耗したが私は戦闘経験のさらなる深まりを感じた。
一度町に帰り、眠ることにしよう。
鍵は「3F 祈祷室の鍵」と判明した。
それだけ確かめると、私は丸太のように眠りこんだ。
久々に深い眠りを味わった。力がみなぎってくるのを感じる。私の戦闘レベルは上がったようだ。
001君主LV17HP177力12知15信16生17素15(+4)運13AC0(*HP28アップ!)
そろそろだな。ゴーレムを倒す。今の私ならやれる!
作戦会議を招集し、ゴーレム打倒のメンバーを選定した。

187 :名も無き冒険者:2015/02/21(土) 23:49:52 ID:5keTFcqQ0
メンバーは以下の6人だ。
前衛:009 008 001
後衛:002 004 014
私を含め、前衛の3人は隊の中でも最も体力の高い者を選んだ。
後衛には僧侶魔法を行使できる者で、動きの素早い者を選んだ。
打撃に耐え、回復しつつ、殴る。作戦はこれだけだ。
バマツによる物理障壁には期待できないが、ないよりましだろう。
カツは使わず、ゴーレムとの殴り合いにどれだけ我々が耐え得るかを確かめることにした。
もはやゴーレムなど、我々の力をはかるための素材に過ぎんのだ。
迷宮に入り、マロールで目的地に飛ぶ。
かつて、絶望を味わった場所だ。懐かしくさえある!
私は武者ぶるいをして、ゴーレムのいる部屋への穴をくぐった。

188 :名も無き冒険者:2015/02/22(日) 01:37:57 ID:EbrBZLQo0
>LV4シーフやLV5プリースト、メイジ、LV6ニンジャ、LV7メイジなどにもマカニトは通じない。

何が起きているんだ、このシナリオw

189 :名も無き冒険者:2015/02/22(日) 10:33:25 ID:h2NLi5D60
ゴーレムが我々の侵入に気づき、目を覚ます。
岩でできた巨体が我々の視界を覆う。
戦闘開始だ!
私と002、004、014はバマツの四重奏。
008と009はゴーレムに切りかかる。
008と009の攻撃は着実にヒットしている。
ゴーレムが太い腕を振り回す。
009がそれを受ける。右腕による最初の2度の攻撃をかわしたが、左腕が009の体を打ちつける。
だが、009は踏ん張って、膝をつくことさえしない。(*2回攻撃で75ダメージ。)
よく耐えた。それでこそ、肉の盾だ。
次ターン、002はマディで009を回復。我々はバマツだ。
これだけ障壁を張ればと、油断したわけではない。

190 :名も無き冒険者:2015/02/22(日) 10:38:01 ID:h2NLi5D60
私はゴーレムの両腕の攻撃をまともに食らってしまった。(*4回攻撃157ダメージ。)
昨日までの私なら倒れていたかもしれないな。
だがッ、私はッ、立っているぞッ!
次ターン、私は自らをマディで回復する。
バマツは無駄かもしれないが、ゴーレムがあの両腕を振りまわす攻撃しかしない以上、これでいい。
私の回復は最速だった。今度は009が狙われた。009は3度の攻撃をかわし、最後の一撃を背中に受けた。
009は痛みに耐え、剣を構える。戦士としての練度を高めた者の動きだ。(*1回攻撃40ダメージ。)
009に気をとられたゴーレムは008の攻撃に対して無防備となる。
008の多段攻撃は、ゴーレムの岩の体に大きなダメージを与えている。(*AC無視なので、両手合わせて100ダメージ。)
だが、ゴーレムの体力は底知れない。長期戦は必至だ。
それから数ターン、009と008が攻撃を受けつつも、後衛がそれを回復しつつ、物理障壁を張り続けた。
ゴーレムは2人の素早い動きに翻ろうされるのを嫌ったのか、今度は私に攻撃を仕掛けてきた。

191 :名も無き冒険者:2015/02/22(日) 10:38:58 ID:h2NLi5D60
ゴーレムの振り上げた右腕が私の頭上に迫る。
私はそれを見て、左に飛ぶ。
間に合った!攻撃をかわしたぞ。
続けざまにゴーレムは反転しながら左腕を裏拳のように振る。
グウウッ!
その一撃をもろにくらってしまった。しかし、前の一撃よりはダメージは低い。(*1回攻撃49ダメージ)
ゴーレムの動きが鈍ったのか、張り続けた障壁がようやく役に立ったのか。
おそらくは後者であろう。
ゴーレムには「疲れる」ということがないはずだ。肉体的にも精神的にも。
動きを止める瞬間まで、戦い続ける人形だ。
………ふっ、それは私のことではないか。
ならば、木偶仲間として、盛大に葬ってやろう!

192 :名も無き冒険者:2015/02/22(日) 10:40:07 ID:h2NLi5D60
ゴーレムとの死闘は半時に及んだという。
004が計っていたらしい。
ゴーレムは動かぬ岩となった。(*HP835−870 35d2+800でしょうね。風以外に耐性有)
さて、ゴーレムはいったい何を守っていたのか…。
我々は部屋の探索を始めた。程なくして002が一冊の書物を見つけた。
見つかったのは、この古びた書物だけだ。これを守っていたのか?
すぐに中を確認しようとしたが、002に止められた。
呪いがかかっている恐れがあるという。
いったん帰り、鑑定することにしよう。
我々は町に凱旋した。
鑑定の結果、書物は「創造の書(廃墟祭壇)」であると判った。
そうか、不死街だな。あそこに書物がどうとか話している女がいた覚えがある。

193 :名も無き冒険者:2015/02/22(日) 10:42:05 ID:h2NLi5D60
執筆者です。ゴーレムについて補足です。
その後、数回戦闘し、アイテムドロップを確認しました。
かなり良い装備品が出現するドロップテーブルのようです。
様々な魔法効果のついた強力な武器・防具をドロップしてくれます。
経験値も66666EXPと多いので、新任の「先生」(体育教師)として我々を鍛えてくれるでしょう。
しかし、今はゴーレム先生の熱血指導は受けません。メインパーティーが救出不能地帯で全滅でもしない限り…。
ゴーレムの能力ですが、ダメージは最大で180点まで確認しました。後衛攻撃はありません。
風属性が弱点です。ルーンスタッフ(風)で強化した001のマバリコで250〜300点のダメージを出せます。
強化しないマバリコで100点程度です。また、カツは効きません。あの時は運が良かっただけなのでしょうか。
魔法耐性が魔・僧とも50%あるので、フィスノイト×5で耐性を弱め、マバリコを撃ちこむ。
あとはゴーレムより常に早く動き、マディで回復して、前衛の壁を崩されないようにする。
最後に一つ。ゴーレム先生の部屋に入るアーチは一方通行です。帰りのマロールを残しておきましょう。

194 :名も無き冒険者:2015/02/22(日) 13:19:16 ID:EbrBZLQo0
すげえ強さだ……
これに勝てたときは感動ものだね

195 :名も無き冒険者:2015/02/22(日) 23:35:27 ID:nVe8fO5o0
ゴーレム攻略おめでとうございます
自分の事の様に嬉しいw

196 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:35:27 ID:R/c0bH1I0
創造の書は本部の倉庫にある書棚に入れた。
不死街の探索は後回しだ。しばらく使うことはないだろう。
008に命じて廃院上層の探索を進めさせる。
私は別の隊を率い、再び聖墳墓へと向かった。
この探索は運が良かった。次々とモンスターを倒し、聖墳墓の地図作成はかなり進んだ。
聖墳墓は広間がいくつかの通路でつながっている。
対称形の構造で、全体像はつかみやすい。
道具袋に戦利品をいっぱいに詰め、我々は町に帰還した。
我々の持ち帰ったアイテムはどれもすでに手に入れているものばかりであった。
008の隊も帰還した。報告を聞く。
彼らは4階で大きな青い鱗の竜にであったという。
宝珠を持っているかと聞かれ、ないと答えると、配下の竜が襲いかかって来たようだ。

197 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:36:26 ID:R/c0bH1I0
配下の竜を倒し終えたとき、大きな青い竜は姿を消していたという。
宝珠について知る巨竜か…。憶えておいた方がいいだろう。
008らの探索で廃院上層の行ける場所はなくなってしまった。
もう聖墳墓の北側しか未探索地は残っていない。
そこに探索を進める鍵があってくれねば困る。
私は隊を率い、聖墳墓に飛んだ。
パーティーメンバーは、私と008、009、004、002、012である。
聖墳墓の北側を目指し、通路を進む。
赤黒い光を放つアーチは、いつ見ても不気味だ。
この扉の先にもモンスターが待ち伏せているのだろう。
このフロアーではまだ倒していない敵が数種いる。
あの忌々しい毒巨人もだ…。

198 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:37:24 ID:R/c0bH1I0
………命からがら町に帰ったのに、休息もそこそこに、私は本部屋敷に召集された。
私はそこで、004と005に戦闘報告書を書くように頼まれた。
その戦闘には、004は加わっていた。
彼ではなく、他の隊員でもなく、私が報告をする理由は一つだ。
私だけが、全てを見ていたからだ。
モンスターは3グループだった。
マイティーオーク×1、オールドワン×2、ヴィーナスマントラップ×4という構成だ。
マイティーオークは巨木の姿をしていた。
ヴィーナスマントラップは食虫花のような食人植物だ。
大きな口から毒液を広範囲に撒き散らす。
毒液は麻痺の効果もあり、直接液を体に浴びずとも、その毒液をふくむ蒸気を吸い込むだけで、麻痺してしまうようだった。
呼吸を止めでもしない限り、その攻撃から逃れることは難しいだろう。

199 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:38:21 ID:R/c0bH1I0
オールドワンは…何と形容していいのか分からない。
この敵には以前にも遭遇していた。天井から突如降ってきたスライムだ。
あの時は隊長が石化させられ、次々と増殖する奴らへの対処をあきらめ、逃げ出したのだった。
今度の戦闘では、奴らをもう少し落ちついて観察することができた。
あれはスライムというよりは、肉の塊だ。臓器や消化管を肉の塊が包んでいるのだ。
気味の悪い触手を持ち、全身を使って素早く飛び回る。
攻撃は触手を伸ばしたり、肉片を飛ばしたり、肉塊ごと体当たりをするという原始的なものだ。
だが、人型や四足のモンスターと違うその動きは、予期することが難しい。
我々の前衛は次々と石化させられていった。
マイティーオークは3ターン目に008が一撃死させた。
だが、肉塊のスライムと食人植物は我々の魔法攻撃も物理攻撃もものともせず、単調だが確実に攻撃をヒットさせてくる。
隊長もしばしば石化、あるいは麻痺し、我々の命令系統は乱れた。

200 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:39:24 ID:R/c0bH1I0
前衛が行動不能に陥り、前線が後退する。後衛はすぐさま回復して、前衛が前線を押し返す。
この攻防の繰り返しが数ターン続き、その間、002や004も何度か行動不能に陥る場面もあった。
肉塊スライムは5体に増殖し、食人植物は4体とも活動していた。
逃げるべきだった。しかし、隊長は絶対に退却するなと厳命した。
私が持つ万能薬が無くなるまでは。
私は最後方にいたため、一度もやつらの攻撃を受けることはなかった。
しかし、仲間の倒れる姿を、苦しむ姿を、ずっと見続けたのは私一人だ。
隊長は食人植物の方が倒しやすいとふんで、攻撃をそちらへ全てふりむけた。
あらゆる属性の攻撃魔法を試し、あらゆる状態異常を狙ったがいっこうに倒れる気配はなかった。
しかし、008と009の攻撃が蓄積されていたのか、2体の植物が動かなくなった。
隊長はここで、002にマウジウツを唱えるよう命じ、自らはアブリエルを唱えた。
マウジウツの七色の光が敵を包んだとき、私は神に祈っていた。

201 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:40:24 ID:R/c0bH1I0
祈りが届いたかは知らない。だが、1体の肉塊が石化し、もう1体が眠りこんだ。
植物には残念ながら通らなかったようだった。
隊長のアブリエルが発動した。空間に大きな渦が発生する。
しかし、渦の中から出てきたのはブラックスライムだった。(*1Fにいる最弱のスライムです。)
「やはり神頼みなどすべきではなかった!」
隊長が吐き捨てるようにそう言ったのを憶えている。
002は運頼みとはいえ、マウジウツによるかく乱は続けるべきだと、隊長に進言した。
隊長は苛立ちながらも、002の意見に従った。
この間も前衛は石化、麻痺され続けている。
私は万能薬で石化された者を直すのに専念していた。
002と004のマウジウツのかく乱は有効だったが、決定打とはならなかった。
隊長は効かぬと分かりながら、全体攻撃魔法を撃ち続けた。

202 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:43:35 ID:R/c0bH1I0
隊長の執念は実った。食人植物は倒れた。残るは肉塊スライムだけとなった。(*↑10行目「直す」⇒「治す」)
だが、こちらの消耗ははげしく、私の万能薬もあとわずかとなっていた。
全ての魔法力と、全ての体力と、全てのアイテムを惜しみなく使った。
戦闘が終わったとき、私の道具袋に残っていた万能薬は、たった一つきりだった。
魔法攻撃をしていた004が一番よく分かっていただろうが、
肉塊と食人植物には弱点となる属性はなかった。さらに食人植物は高い魔法耐性を持っていた。
そればかりではない。奴らには魔法の威力と物理攻撃を半減させる障壁があったのではないだろうか。
私がいつも後方から見ている時とは明らかに違っていた。
004のティルトウェイトはメリトに、隊長のマバリコはバリコに、
008と009の嵐のような多段攻撃はそよ風のように…
それに加えて回避不能な状態異常付加攻撃を単調に、執拗に、無慈悲に、続けられた。
私、012は、全てを見た私は、結論する。奴らとは、戦ってはいけない。

203 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:47:58 ID:R/c0bH1I0
執筆者です。参考までにヴィーナスマントラップとオールドワン(ゼノ)のデータを記しておきます。
クソったれ植物:HP75−125 AC4 P・M耐性70% ヒール3
        耐性;睡・毒・麻・死・吸・浮・風・雷・聖・魔 状態攻撃;毒・麻 AC無視 直攻半減 呪攻半減
宇宙に帰れ生物:HP170−270 AC6 P・M耐性0% ヒール10
        耐性;ALL 状態攻撃;石 AC無視 直攻半減 呪攻半減 異神
現在プレイの方はもう少し先のフロアーまで進めているのですが、このグループが一番厄介な敵です。
ブレスはコルツ重ねがけで対処出来ますが、AC無視で状態異常されて、こんだけ耐性持って、大勢でHP高いと……
……やる気がみなぎってきます。もう何でもかかってこいやー!
追記:訂正2件です。マディアルはデフォルトのままです。ブレス放出率はどんな敵でも30〜40%程度だと思われます。
001の君主(女王様?)転職は、シナリオタイトルから今後の展開を考えてのことでもあります。途中での私のイメージでは侍でした。
ラスボスが「偶像の偽君主」なのだろうと思うのですが(トレボー?あれは狂王か…)、正直シナリオがよく分からないのです。
未だに何のために命をかけて迷宮に潜っているのか分からないままです。でも、私はそれを楽しんでいます。

204 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:54:20 ID:R/c0bH1I0
聖墳墓北部の探索はこのまま続ける。
そして、モンスターからは逃げない。絶対にだ。
我隊の戦力は充実している。1stパーティーだけでなく、2nd、3rdパーティーがいる。
私の隊が全滅しようとも、私が死に、灰になり、消失しようとも、迷宮の探索を続けられるだけの部隊に育った。
強敵と戦い、後続のためにモンスターの情報を集める。
この方針は間違っていない。
だから、いま、ここで、私は逃げないのだ。
しかも奴らはこちらに気づいていない。
009と005に目配せをして、一斉に走り出す。
009の大剣が巨人の腹を裂き、005の刀は巨人の右腕を切り落とした。
2体のポイゾンジャイアントは我々の奇襲を受け、慌てふためいている。(*ポイゾンですね。ありがとうございます。)
毒の巨人は後ろに下がり、鬼火の集団が前に出てきた。

205 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:55:34 ID:R/c0bH1I0
クソッ、邪魔をするつもりか。
先制攻撃が効いているとはいえ、毒のブレスをまともに受けるとこちらにも大きな被害が出る。
私と005、002はコルツを詠唱する。
010には念のためバマツで物理障壁を張らせよう。鬼火が状態異常攻撃をするかもしれん。
3重に張った魔法障壁は強力なブレス障壁ともなる。
009と012の攻撃ではウィルオーウィスプを倒すことはできなかったようだ。
ポイゾンジャイアントは後方で体制を整えている。
障壁を張ったとはいえ、ブレスは心配だ。
次ターン、私と005も直接攻撃で鬼火を叩く。
鬼火への攻撃はなかなか当たらない。002にディルトで援護してもらう。
巨人は沈黙している。ブレスを吐かないのか?
なめられたもんだな。だが、いつまでもそうしていれば、死ぬのはお前たちだ!

206 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:56:52 ID:R/c0bH1I0
次ターン、鬼火の一群を倒した。
これで敵の前線が崩れた。次で毒巨人に止めを刺してやる。
直接攻撃可能な者全てにポイゾンジャイアントへの攻撃を命じた。
ズシーーーン。
009の攻撃を受け、1体が倒れた。
あと1体。その1体がブレス攻撃の体制をとった。
大きく息を吸い込み、我々めがけ毒のブレスを吐き出す。
ブフォオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーー!
ふふふ、ふはっはっはっーーー!
なんともない。障壁を完成させている我々には、お前のブレスは通じんよ。
次ターン、残った巨人を殺した。
巨人はブレスを無効化され、なすすべなく倒れた。

207 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 00:58:04 ID:R/c0bH1I0
うぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
残った鬼火を蹴散らし、私は勝利の雄たけびを上げた。
あの屈辱、今、ここで晴らしたぞ。
我々はそのまま北へと進み、聖墳墓の全体地図を書きあげた。
北の広間では二つのアイテムを手に入れた。
町に帰り鑑定すると、それはこの土地の古い王家に伝わる神器だと判明した。
一つは「転移の錫杖」であり、もう一つは「転移の王冠」である。
それらを持って廃院1階の、入口近くにある壊れた石像のある場所に行くと、奥へと通じるアーチが開いた。(*「錫杖」なくなります。)
その奥に進むと、さらに石像がある。(*再び「錫杖」が必要です。アイテム転移です。もう一度「錫杖」を取りに行きましょう。)
石像の前まで進むと「転移の錫杖」があやしく光り、我々の体は一瞬のうちに、別の場所へ転移させられた。
すぐさま床に結界描き、キャンプを張る。
デュマピックで確認すると、転移先は聖墳墓の下層だと判明した。(*「王冠」で開く扉の先にある転移装置は聖墳墓1Fに飛びます。)

208 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 01:59:12 ID:IBry1Gk20
プレイ日記が面白いから、自分もプレイを始めてみたけど、
笑ってしまうほど戦闘難易度が高いw
レベル3になって魔法使いがメリトを覚えるまでリセットしまくりだった。
これをノーリセットプレイって…… 日記の執筆者凄いわw

シナリオタイトルからも、日記主人公の隊長が君主(女王様)になるのは正解だね。
隊長の性格で侍に転職したら、極道の姐さんになってしまうw

209 :名も無き冒険者:2015/02/24(火) 03:26:56 ID:grO+JyEc0
アブリエルは召喚モンスターの設定し忘れなんだろうか……

210 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 00:13:09 ID:tctSZP4I0
(*設定し忘れではないようです。アブリエルではレッサーデーモンの出現を確認しました。グレーターが低確率に設定されてそうです。)
この下層は、上層の聖墳墓とは雰囲気がずいぶん異なる。
壁は大理石で作られ、床はピカピカに光っている。
作られたばかりのお城のようであり、とても古い廃墟だとは思えない。
このフロアーだけ、時の経過による風化からは取り残されているようだ。
少しだけ歩いてみる。歩くと、コツコツと床が鳴る。
リトフェイトをかけて、この音を消さないとモンスターに気づかれてしまうな。
扉を開けてみることにした。扉の奥には敵がいるだろう。
バンッ!私は勢いよく扉を開き、部屋の中へ踊りこんだ。
いるぞ!
巨人が3体。あとは床を這いつくばる大量のスライムだ。
宙に浮かぶ巨人はエアージャイアント、毒々しいスライムはブロッブだ。

211 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 00:14:31 ID:tctSZP4I0
我々はバマツの多重詠唱で物理障壁を張る。005と009は巨人に突撃だ。
戦闘開始、バマツが発動する。005と009の攻撃は巨人にヒットしている。
敵のスライムの攻撃は毒素を与えるだけのようだ。毒では我々を止められんよ。
だが、巨人の攻撃は凄まじかった。強力な拳の一撃は009、005に大きなダメージを与えた。
005はそれに耐えきれず床に倒れ込んだ。
死んだか。仕方ない。
私は009に005を担がせ、その場から逃げ出した。
今戦った敵は聖墳墓上層では遭遇しなかった。
ということは、この下層は、上層とは異質の敵が巣くっているということだ。
今回は、それだけ分かれば十分だ。
我々は町に帰り、005を寺院に預けた。
005は無事に蘇生した。

212 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 00:16:20 ID:tctSZP4I0
やれやれ。久しぶりに死んでしまったわい。さて、今日は聖墳墓で遭遇するモンスターについて記そう。
聖墳墓上層にはバンシーの異種がいる。ダルトの魔法で攻撃してくるが、脅威ではない。
上層で注意すべきは何と言ってもオールドワンとヴィーナスマントラップの集団だ。
この2種については012からの報告を参照してもらいたい。
聖墳墓下層で注意すべきはジャイアントマンティスという巨大なカマキリのクリティカルヒットである。
数匹で現れ、巨大なカマのような腕で首を切り飛ばす。我隊は数人が首を切られた。
一緒に出てくるヒドラは雑魚だ。マンティスのグループに攻撃を集中させ、速攻で倒したい。
下層には高い体力をもつ、ブレス持ちがいる。
ドラゴンとアイアンジャイアントやジャイアントゾンビだ。フラックもいる。
しかし、敢えて言おう。彼らは恐るるに足りない。
先制さえされなければ、コルツ多重がけの魔法障壁によってブレスはほぼ無効化できる。
厄介なのは敵の魔法耐性であり、我々の魔法攻撃はまず通らない。

213 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 00:17:14 ID:tctSZP4I0
したがって、この下層での主な戦術はこれだ。
コルツをかけて物理で殴れ。
この戦術で対応できないのは、ヴァンパイアの一団だ。ヴァンパイアも、その護衛も状態異常攻撃をする。
耐性もあり、体力も高いため、持久戦になりやすい。だが、ジルワンが通り、数を減らすことができれば素早く倒すことも可能だ。
そうそう、下層にはサッキュバスの同姿同名の異種がいる。このサキュバスはドレイン攻撃をする。
姿を見たら、真っ先に全力で殴り殺すべきだ。
もちろん、望むのなら、あえて彼女たちのドレイン攻撃を受けてもいい。それは自由だ。
聖墳墓下層で手に入れた装備品は強力な魔法効果がついている。
とくに、直接攻撃を強化する武器・防具は貴重だ。
コルツをかけて物理で殴る戦術を確立するには、前衛の戦士の成長と、強力な武具を揃えることが必須だ。
しかし、戦闘が単調になり、戦闘が作業になる。
戦闘狂の001がコルツを使わずに戦うなどと言い出さなければ良いのだが…。

214 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 00:22:02 ID:tctSZP4I0
今回の探索で、聖墳墓下層を踏破する。
出撃前の訓示で、隊員たちを前にして、私はそう告げた。彼らに強い覚悟を持たせるためだ。
聖墳墓下層の探索は順調に進み、手に入れた戦利品で、我隊の戦力は飛躍的に伸びた。
とくにこのバタフライナイフだ。運良く2本も手に入れることができた。
今は私が2本とも装備している。(*FMTSLN全種族性格装備可能。最大攻撃回数・最大攻撃ダメージ+3敵からの攻撃倍増。SPなし)
このナイフの刃先は美しい。モンスターを切り刻み、たくさんの血を吸わせてやろう。
そうすれば、このナイフはもっと美しくなるはずだ…。
私は005、003、002、004、012を連れ、聖墳墓下層に飛んだ。
北側の「玄室」の扉を開く。
現れたシルバードラゴンに襲いかかる。
手にしたナイフは竜の鱗を貫き、切り裂き、あっという間にドラゴンの血を吸った。
美しく白い銀竜は真っ赤な血を流し、ドウッと倒れた。竜の肌は赤く染まっている。

215 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 00:22:58 ID:tctSZP4I0
私のプレートメイルも返り血を浴びて赤く染まった。
002が脅える目で私を見ている。
玄室に入った我々は真っすぐ奥まで進んだ。南側の「玄室」には奥に回復の泉があった。
対称形の構造の多いこの迷宮なら、奥に泉があるはずだ。
襲いかかるモンスターを蹴散らし、しばらく歩くと、水の音が聞えてくる。
泉はやはりあった。私は泉の水で鎧についた血を洗い流す。
しばらく休息をとった後、泉のすぐ近くの扉を開けて部屋に入る。
南側の「玄室」では歴代の王族の死体が石の棺に納められていた。
北側にはそうした棺は見当たらない。
四方をアーチに囲まれた小部屋には、代りに魔法陣が描かれている。
この迷宮で何度も目にしてきた魔法陣だ。
おそらくこれに近づけばモンスターが現れるはずだ。

216 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 00:24:17 ID:tctSZP4I0
ちょうどいい、回復も済ませたし、雑魚ばかりで退屈していたところだ。
楽しませてもらおうではないか。
小部屋に入り、魔法陣に触れる。魔法陣はあやしく光を発する。
しばらくすると、1体の魔物が現れた。
赤い4枚の翼を広げた、巨大な悪魔だ。
こいつは…!?マイルフィックだ!
我々の時代ではパズズという名で知られる古代の魔神だ。
まさか、こんな大物が出てくるとはな。
お供のモンスターは連れていないようだ。
マイルフィック1体か…。こんな狭い部屋では逃げることはできない。
無論、逃げるつもりもないがな!
魔神だろうがなんだろうが、ぶっ殺してやる!

217 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 00:25:13 ID:tctSZP4I0
最初のターン。002、003、005はコルツを詠唱。004はバマツ。
私と012は武器を手に攻撃を仕掛ける。
コルツは順調に発動する。
よし、先手を取れたようだ。
私の攻撃はヒットしたが、さすがに魔神はタフだ。
マイルフィックは呪文を詠唱する。
クソッ、全員魔法に対し、防御姿勢をとれ!
魔神は…マモーリスを唱えた。
なん、だと!?マモーリスなのか?(*ある意味驚きました。プレイヤーを驚かすとは、さすが魔神!)
数人が驚いているようだ。
魔神め、余裕を見せているのか?
次ターン、ディルトで援護させつつ、我々前衛は魔神めがけて切りかかる。

218 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 00:26:38 ID:tctSZP4I0
私は懐に飛び込み、大きく跳躍する。
魔神のつきだした左の膝を踏み台にして、魔神の左の胸に切りつける。
バタフライナイフ二刀流攻撃は奴の心臓を刺し貫くことはできなかったが、
左胸から肩にかけて、そうとうの傷を負わせることはできた。
魔神が苦しげな呻き声をもらす。005の攻撃も効いているようだ。
魔神は再び呪文を詠唱し始める。今度こそ核撃が来るか!?
魔神の唱えた呪文はパリオスだった…。
パリオス、だと?(*………)
そうか、コルツの障壁を消したのだな。さすが、魔神だ。
次ターン、コルツを再び唱え、障壁を再度張る。
しかし、今度は、魔神は魔法を撃たなかった。
我々前衛は、ともかく魔神を攻撃し続けるしかない。

219 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 00:27:31 ID:tctSZP4I0
それから数ターン後、魔神は倒れた。
そして、死体を残さず、消え去ってしまった。
古代人の恐怖した魔神の苛烈な攻撃は、ただの伝説だったのか?
強力な配下の魔物を引き連れ、ティルトウェイトを連発し、ドレイン攻撃を含む状態異常攻撃で、
数々の英雄たちを葬ったという、あの魔神パズズではなかったのか?
まあよい。ともかく我々は戦闘に勝利したのだ。
戦闘経験も大きく深まった気がする。
泉で回復した後、他の部屋を調べて回る。
魔神の現れた部屋と同じ構造の3つの部屋に、それぞれ3種のモンスターが配置されていた。
アークデーモン、ヴァンパイアロード、ライカーガスである。
いずれも無難に撃破した。
それから、「玄室」広間中央の小部屋を探索し、いくつかの重要そうなアイテムを見つけた。

220 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 09:16:40 ID:MMAhEJqM0
コルツを張るとパリオスを使う、という戦闘システムはありますからねー。

221 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 10:45:37 ID:tctSZP4I0
町に帰り、戦利品と見つけたアイテムを鑑定する。
アイテムは、「1F司祭長書斎の鍵」と「聖なる宝珠」「聖なる護符」であった。
鍵の使いどころには心当たりがある。宝珠は008が出会ったという竜だろう。護符はよく分からない。
まずは司祭長の書斎から探索するとしよう。
パーティーを編成してマロールで目的地に飛ぶ。廃院1Fの北側にある、鍵のかかった扉の前だ。
パーティーは私と008、003、004、002、012である。
鍵はやはりこの扉のものだった。ガチャリという音を立てて錠が外れた。
扉を開けて部屋の中へと入る。
正面の壁際に何者かがいる。近寄ってみる。
ランタンを持った、灰色のローブを着た男だ。
男は呪文のような訳の分らぬことを言っている。要するに、我々は彼の邪魔をしてしまっているのだろう。
男が大声で叫ぶと、突然、強い光が発した。

222 :名も無き冒険者:2015/02/25(水) 10:47:23 ID:tctSZP4I0
不意のことに私は目を閉じてしまった。
目を開くと、そこにはローブの男ではなく、禍々しい悪魔が立っていた。
聖墳墓下層で戦ったアークデーモンとよく似ているが、どこか違う。
ラツマピックの識別ではネザーデーモンという真名である。
私は腰にさしたバタフライナイフを抜き、両手に持った。
深呼吸をして肩の力を抜く。
だが、高ぶる気持ちを抑えられない。
私は隊員に指示を出すよりも前に、悪魔に向かって走り出していた…。
激しい戦闘の最中、後衛の誰かが倒れた。
悪魔は手にした炎の鞭で我々を攻撃してくる。
自在に変化する鞭の軌道を読むのは難しい。
我々は鞭の攻撃に阻まれ、近づくことすらできない。

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